寝かせ玄米のほか、玄米糀甘酒など玄米にこだわった国産・無添加のおいしいものを揃えています。

ぬか床をメンテナンスしてくれる!?「発酵のある暮らし」を提案する85[ハチゴウ]さんに行ってきました! @中目黒
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ぬか床をメンテナンスしてくれる!?「発酵のある暮らし」を提案する85[ハチゴウ]さんに行ってきました! @中目黒

ここ数年来の麹ブームにはじまり、日本伝統の発酵食品が健康生活の源として見直されている昨今。昔実家やおばあちゃんの家でご飯のお供に何気なく食べていた「ぬか漬け」も住環境や家庭環境の変化などで接点がなくなりつつあります。

一方で、食への意識が高い人々をはじめ、若い世代の女子たちにもじわじわと関心が向けられ始めているようです。でも、いざぬか床を作ってみようとなると躊躇してしまう人も多いのでは?

中目黒駅の高架下にある85[ハチゴウ]は、まさに「ぬか床を持ちたいけれど、どうやって始めたらいいのか分からない」「どういうふうに管理したらいいの?」といった人々を手助けしてくれるお店なのです。

“発酵する暮らし”とは?

店内は一点一点スタイリッシュなモノが並ぶ雑貨屋さんのような雰囲気ですが、実はただの雑貨ではないようです。ちなみに店名の「85」は“ハチゴウ”と読みますが、もうなんとなくお分かりですよね? そう、“発酵”にまつわるさまざまなアイテムが揃っているのです。

お米のもろみ粕を練り込んだ石けんや、お米でできたアウトドアスプレー、お米の籾殻から作られた土に還る素材の食器など、体や環境にやさしい雑貨たちが整然と並び、一つ一つに目が留ってしまいます。

バイオの力を使ってエアコンの臭いやカビを予防するウォールステッカー。お風呂場に貼れるバスステッカーも。

「85は“発酵する暮らし”を提案するライフスタイルショップです。」とお店のコンセプトを語ってくださったのは店長の宇井清さん。

85中目黒高架下店 店長の宇井清さん。

「“発酵する暮らし”とは、丁寧な暮らし方を発酵食品と掛け合わせているのですが、つまり、長く使うことによって経年変化の味わいを楽しめるような暮らしのことですね。」

そして「次の世代に環境というものをどういう形で維持して残せるか」ということもあわせて考えているとのこと。“発酵”をはじめとしたオーガニックな食品や製品、エココンシャスな生活雑貨、そして長く経年変化が楽しめる真鍮を使ったカトラリーやステーショナリーグッズなども取り揃えています。

どの商品もデザインが良く、インテリアに加えたくなるものばかり。そして商品を通して作り手のメッセージもなんだか伝わってくるかのよう。使うほどに愛着がわいてきそうです。

そもそも、なぜこのような“発酵”をキーワードにしたお店が誕生したのでしょうか? ブームに乗った自然の流れともいえそうですが、実はあるストーリーが背景にありました。

もともと内装デザインを手がけているオーナーが、多忙から自身の体調を崩したことがきっかけだったそうです。それを機に食育や環境にも関心を抱き始めるわけですが、昔、田舎のおばあちゃんが作ってくれた白菜の塩漬けやぬか漬けを食べてとてもおいしかったという記憶から、自身でもぬか床を始めてみたところ、体調も次第に回復。

この昔ながらの発酵文化が世の中にもっと広がっていってもいいのではないか。そんな気持ちをずっと抱きつつ、“発酵する暮らし”をコンセプトにかかげた「85」を立ち上げたのです。

また、ゴミを極力出さないようなエコに関連した食器や、オーガニックの生活雑貨を取り揃えているのも、「一つ一つ実際に使ってみていいモノが、結果的に環境にもいいコトにつながる。」というオーナーの考え方から。宇井さんもそんなオーナーの考えに共感するお一人。自然に手にとってしまうグッドデザインのモノたちが、実は人の体にも環境にもいいコトだったりしたらうれしくなりますね。

お米の籾殻や竹の粉末からできた土に還る食器。軽くて割れにくく耐久性も抜群です。

“マイぬか床”という画期的なサービス

さて、店内奥には核心ともいえる「Hakkou room」があります。醤油や味噌、お酢などの発酵調味料、米麹や甘酒、酒粕、かつお節といった発酵食品を取り揃えているお部屋です。

奥深い”発酵”にまつわる食品が集められている「Hakkou room」。

明治時代からの醤油蔵による濃口や再仕込み、大麦由来の醤油や白醤油などさまざまなお醤油が並びます。

杜氏が毎日チェックしながら3年かけて仕込んだ有機黒酢や食べる黒酢などさまざまに揃うこだわりの黒酢。

酒精が入っていない酵母が生きた生のお味噌を量り売り。アイスクリームのディッシャーで1玉50gずつ、4種類のお試しセットがプレゼントによろこばれています。

一見お味噌にみえますが、こちらは半年ほど熟成させた酒粕。コク出しとしてお味噌汁に加えたり、粕汁にしても◎。クリームチーズと和えるとお酒のアテにも最高なのだとか!

 

棚にはホーロー容器がたくさん保管されています。これらが、みなさまからお預かりしているというぬか床!

発酵に適した温度は20〜25℃。毎日温度調整をして保管しています。

「マイぬか床サービス」とは「どうやって始めたらいいのか分からない」「管理が難しそう」という方々向けに始めたサービス。「スタートからこちらで容器や材料を全て用意し、まずはお客様本人の素手でぬか床を作っていただきます。そしてお客様が慣れるまでこちらで管理していくというシステム」。まさに、かゆいところに手が届く気の効いたうれしいサービスです。

ぬか床づくりから始まり、お客様とラインやメールでやり取りしながら、お店で漬けた“マイぬか漬け”を“マイぬか床”から掘り出して、その味わいを自宅に持ち帰って楽しむことができるのです。

ホーロー容器の蓋をあけると、ふんわりと鼻先につく、ほのかに酸っぱくどこか懐かしさ漂うぬかの香り。実際に、宇井さんがぬか床に野菜を漬ける作業をして見せてくださいました。個々で常在菌が違うので、スタッフは手袋をしてかき混ぜます。

手を下の方まで入れて持ち上げて、上下を入れ替えるようなイメージでかき混ぜます。

かき混ぜてならしたぬか床にカットした大根とにんじんを差し込みます。

大根とにんじんを覆い隠すようにぬか床をかぶせて漬け込み完了。およそ8時間くらいで食べ頃に!

この日はお店で仕入れている有機野菜の大根とにんじんを皮をむいてカットしたものを漬けましたが、旬のお野菜をはじめ、お好みのお野菜を注文していただき漬けることも可能なのだそうです。

「同じ材料を使って同じお野菜を漬けても、どんどん熟成されて色も香りも変わってきます。お客様に『なにが正解なのでしょうか』と聞かれることが多いのですが、それを自分で探していくのが発酵の楽しさ。同じ条件で始めても、その時のぬかの状態やその方の常在菌により、十人十色の風味に仕上がるんですよ。」

「毎日かき混ぜているとよく分かるのですが、本当に生きているんだと思いますね。あまり頻度よく漬けていなかったりするとぬか自体もちょっと元気がない感じになってくるんですよ(笑)。その日食べる分ずつ、ちょっとずつでもお野菜を入れていただくとぬか自体も元気なります。生野菜より日持ちもしますし、栄養価も高くなります。お腹の調子も良くなりますし、いいことの方が多いと思います。その分のちょっとした手間だと思っていただければ」

きゅうりや茄子はほとんど栄養価のないお野菜。なのに、ぬかに漬けるとビタミンB類や乳酸菌などの栄養価も数倍高くなる上、味わい深くなってしまうのだから、ぬかとはまるで魔法のようなものに思えて仕方ありません。先人たちの知恵と工夫の賜物ですね。そして手をかけることで愛着も増し、3年、5年、10年とまさに経年変化の味わいが楽しめるのかもしれないと考えると、今からとても楽しみになってきます。

この「マイぬか床サービス」は月額1800円(税別)で始めることができます。利用者の中には、お子様の食育としてやられている方や料理好きな方、近所の和食屋さんも利用しているのだとか。意外にも利用者の半数近くが男性というのも、このきめ細かなサービスなら頷けますね。他ならぬ私も、ぬか床生活にチャレンジしてみたいと思う一人。ただ、2017年3月オープン以来人気のサービスとあって、ただいま満床なのだそう……。

お客様からお預かりしているぬか床を毎日愛情を注ぎながらかき混ぜ、大切に管理している宇井さん。これまで、自宅でもぬか床を育てていける人をたくさん輩出してきました。「ぬか床に慣れてきて、ホーロー容器をご自宅にお持ち帰りできるようになったら卒業です。ぬかは種としてお友達に分けることもできますので、そこでまたぬか床のおいしい発酵の文化を普及していただけたらと思っています。」と理想の形を思い描きながら笑顔で語ってくださいました。

初めての方も安心して利用できる「熟成ぬか床」キット1300円(税別)。すでに熟成されているので、野菜を入れるだけで本格的なぬか漬けを楽しめます。

空きが出るまで待てないという方は、ぬか床キットも販売しているので、すぐに始めることもできます。新年度を迎える春、これからの毎日がちょっと豊かになりそうな“ぬか床のある暮らし”をスタートさせてみてはいかがでしょうか?

コラム製作 敬食ライター:味原みずほ

青森県七戸町出身。おやつは一日一片の黒にんにく。食を敬い、食にたずさわる人たちの魅力を伝えたく敬食ライターとして活動中。6歳からピアノを習い始めて音楽大学を卒業してしまった、食と同じくらいピアノと合唱が大好きなライターです。

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