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クローズアップ玄米
クローズアップ玄米 結わえる 荻野芳隆 地域創生 ヴィレッジ 建築 新潟県 魚沼の里

【クロ玄】日本酒八海山の総本山。とにかく魚沼、日本の暮らし、発酵を伝える『魚沼の里』*ヴィレッジ #3

憧れのヴィレッジとは?

企業が商品ではなく“暮らし方・ライフスタイル・価値観”を伝えるために、飲食・物販を中心に展開するいわばテーマパークのようなもの。

僕が実際に訪れた全国の“憧れのヴィレッジ”を紹介していきます!

第3回は、清酒”八海山”の八海醸造が運営する『魚沼の里』。魚沼の暮らしや雪国の文化、“郷愁とやすらぎ”をテーマに、工場、カフェ、直売所、雑貨店、飲食店、お菓子屋などが点在する、八海醸造の総本山。

魚沼の里

誰もが知っているあの日本酒”八海山”。

八海山と言えば、大衆酒というイメージが強いが、この大衆酒をいかに旨く、飽きさせず、いろんな料理に合い、買いやすい価格で、日常的に呑んでもらえるかというところに愚直に情熱をかける蔵である。

その工場や会社があり、日本一のコシヒカリの産地、冬は3mの雪が積もる新潟県魚沼に2013年頃から随時施設がオープンしている”魚沼の里”が誕生した。

東京から車で3時間、新幹線で1.5時間でそこからタクシーで15分と、なかなか簡単には行けないが、スキー場か温泉ついでに遊びに行くと良いと思う。僕は冬のスノボーついで、夏の温泉ついでに2回行った。この周りにも魅力的なスポットが数カ所あるのでそれもまた紹介したい。

魚沼の里HPより

麹甘酒が大ヒット

八海山は今、「千年こうじや」という”麹だけでつくったあまさけ”を中心とした麹加工商品のブランドが好調で、東京にも麻布十番、GINZA SIX、神楽坂、コレド室町の4店舗を展開し、TVCMもやっている。日本酒というなかなか厳しい業界の中で、自社の持つ技術を活かして新しいブランドを作って次の成長曲線を見事に作り上げている。

昔からある酒粕をお湯で溶かして砂糖を入れる甘酒ではなく、米を麹で発酵させたノンシュガーノンアルコールの麹甘酒が、ブドウ糖、アミノ酸、ビタミンBなどが豊富なため、飲む点滴として2017年のヒット商品に選ばれたけど、それを牽引した企業と言える。

「千年こうじや」甘酒ページ

http://www.hakkaisan.co.jp/sake/amasake

八海醸造は年商100億くらいだが、この「千年こうじや」中心の新規事業が20億を超えるという。新規事業が全体の20%を超えるくらいに育てたのはすごい。

因みに、この麹甘酒は健康飲料として大きく成長し、ブームではなく定着しつつある。2012年50億円くらいだった甘酒市場は、2017年は200億円くらいまで急伸し、5年で約4倍の規模まで成長した。

ウチでも甘酒は人気商品で寝かせ玄米ごはんパックの次に人気がある。もちろん、ウチの甘酒は玄米甘酒です♪

http://www.nekase-genmai.com/goods_category/item/genmai-kouji-amazake

魚沼愛がすごい

そんな日本酒も甘酒も好調な八海醸造の総本山が魚沼の里。

今となっては新潟魚沼は日本一の米どころ、日本酒が美味しくて沢山あるところというイメージがあるけど、昔は良い酒といえば兵庫の灘、京都伏見などが有名だった。その中で日常的に飲んでもらう酒のレベルを徹底的に上げていき、今の地位を築き上げていった。

その地元の良さを知ってほしいと、もう15年も前から、年4回の季刊誌『魚沼へ』を刊行している。この冊子は商品の紹介等はほとんどなく「その製品が生まれてくる風土、自然の豊かさ、人々の暮らしを前面に出して、いい酒がなぜ出来てくるのか、そのバックボーンを皆さんに知ってもらわなければならない」という想いから生まれたとても魅力的な冊子である。

季刊誌「魚沼へ」 八海醸造HPより

今回ご紹介する「魚沼の里」も、「魚沼の暮らしや雪国の文化を通じて“郷愁とやすらぎ”を感じてもらいたい」というコンセプトなので、もったいないなぁと思うくらい、八海山や千年こうじやの推しが少ない。

コンセプト

施設は、蕎麦屋、定食屋、バームクーヘンや和菓子の販売&カフェ、日本伝統の折形の包みやラッピングの店、キッチンや生活雑貨・地元食品の店、パン屋、料理教室といった感じ。

そば屋 長森

良い感じの古民家

かき揚げそばとにしん(写真が下手 w)

城内食堂 武火文火 定食屋

菓子処 さとや バームクーヘン&カフェ

つつみや八蔵 折形とラッピング

もちろん、八海山の製造工場も要予約で見学出来るし、お酒も甘酒も千年こうじや商品も売ってるし、酒粕を使ったバームやパンなども売ってるけど、

”企業の想いや価値観を伝えてファンになってもらって、継続的に商品を買ってもらったり、紹介してもらったり、結果として企業のブランドや売上が成長していく”

というヴィレッジの目的からすると、”地元魚沼のファンになってもらいたい”という感じなのでかなり大らかな感じだ。余裕を感じます 笑

メインショップは雪室に併設

雪室(ゆきむろ)とは、雪国の人たちの生活の知恵。冬にたくさん降り積もった雪を、茅や藁の屋根で覆って貯蔵した「天然の冷蔵庫」。電気は使わず1年間解けずに0〜4度くらいをキープ出来る究極のエコ。ここでも1,000トンを超える雪を入れて、日本酒、焼酎、野菜などを貯蔵している。

八海山雪室 カフェ、売店、キッチン雑貨

話がズレてしまうが、この雪室はとても面白くて、エコなのはもちろん、ここで貯蔵すると食べ物が美味しくなるのだ。実際、米、栗、人参、大根などをわざわざここで貯蔵してから商品にする”雪室留学”なるものがビジネスになっている。野菜などは自分の体が凍って死んでしまわないよう、糖度を上げて身を守ってるのである。昔、ポカリを凍らすと甘い部分だけ先に溶けて残りがまずくなった経験があると思うけど、糖度が高いと凍りにくいのだ。だから結果として糖度が上がった野菜が完成するという話。電気使わず、長期保存出来て、美味しくなって、商品の差別化出来て良いことづくめだ。

*参考 雪室商品統一ブランド 越後雪室屋

http://www.yukimuroya.jp/index.shtml

ドリップが少ない良質な熟成肉になるらしい

ここで貯蔵した八海山や焼酎も美味しくなるんでしょう。

その雪室の見学、千年こうじやの商品、キッチン雑貨、地元新潟食材の販売、カフェ、デモンストレーション試食などがある。

僕の大好きな佐渡島のへんじんもっこの生サラミも売っててつい買ってしまう。(←八海山と関係ないけど)

へんじんもっこ

あとはいろんな種類の八海山の試飲が出来る♪

やっぱり試飲♪

地域ブランディングか自社ブランディングか

魚沼の里はその名の通り、魚沼の魅力が詰まってるし「魚沼の暮らしや雪国の文化を通じて“郷愁とやすらぎ”を感じてもらいたい」というコンセプト通り“郷愁とやすらぎ”を感じる。これは自社よりも地域を重視したんだろうなぁと思う。僕は企業がやってる訳だし、その企業のこだわりや価値観、都心の店舗では味わえないメイン商品の魅力をもっともっと出しちゃっていいのになぁと思ったし、その辺を逆に感じたかった。この辺は企業の戦略や想いがあるので好みが分かれると思う。

ただ、建物も、雪室棟はかっこいいし、古民家も良いし、メシは旨いし、良いものたくさん置いてるし、冬でも夏でもオススメです。

魚沼の里HP

http://www.uonuma-no-sato.jp

コラム製作 おぎの玄米よしたか

結わえる代表、食養研究家 我慢しないで美味しく楽しく一生太らず健康でいられる”メリハリ寝かせ玄米生活”を広めれば、その先に持続可能な豊かな世界が待っていると確信して日々奔走中。正しいことを伝えるのではなく、出来ることを伝えることが正しい。健康なんて80点で十分!がモットー。好きな食べ物は、寿司、ラーメン、いちご。毎日玄米を食べ、毎日呑む。ビール、日本酒、ワインが好き。運動は、フットサル、野球、サーフィン、スノボーのどれかを月に2〜3回。趣味は旅行で、最近は気の合うその地元の人にアテンドしてもらうのが楽しい。狩猟、船舶、スキューバ、バイクの免許を持ち、草食系に見えるらしいが意外とアクティブ。幼い頃、姉ちゃんにコタツへ閉じ込められて以来の閉所恐怖症。
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