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良いうんちとは?便秘のトラブルを未然に防ぐ食生活
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良いうんちとは?便秘のトラブルを未然に防ぐ食生活

私たちYUWAERU(結わえる)は、「寝かせ玄米®」をはじめ、玄米関連商品を直販したり、東京都台東区蔵前にある「YUWAERU本店」で「寝かせ玄米®」をはじめ旬のお料理を提供している会社です。そのため、お客様からよく「玄米を食べ始めてから、快便になった」というお声をいただきます。玄米には、お通じを改善させるようなイメージがあり、便秘にも効くと説明されることもあるようです。玄米が快便を促進するのは事実ですが、便秘に対してはどうでしょうか。

そもそも便秘やおつうじとは、どういうメカニズムで発生しているものなのかというところからみていき、便秘と玄米の秘密を探っていきましょう。

そもそも便秘とは

便秘は、うんちがでない状態のことを指しますが、それが病気であると認識されることは少なく、これまで便秘に悩む多くの方は市販薬を試したり、民間療法で対処するなどして、自力で解決しようとする傾向にありました。

一方で、近年では心血管疾患や、腎疾患と便秘の関連性が指摘されるようになってきており、ただうんちがでないということだけではなく、全身疾患の一症状であると捉えられるようになり、2017年に慢性便秘症診療ガイドラインが策定されました。

このガイドラインによると、うんちが硬くて出にくかったり、力まないとでない状態や、うんちは出るけれど、残便感があったり、トイレに行く頻度が多い人も便秘(=排便困難症)に含まれます。

便秘は、ただうんちがでないだけではなく、何かの疾患の症状の現れである可能性があったり、れっきとした病気であり、生活の質(QOL)を下げる、良くない状態なのです。

うんちとは

どんなうんちだと、便秘ではないのでしょうか?一言にうんちと言っても、さまざまな形状があります。食物繊維が不足していたり、水分が不足している場合、コロコロ状になったりカチカチ状になって硬いうんちとなり、排泄困難になります。逆に、冷たいもの、甘いものを摂りすぎたり、単純に食べ過ぎだったりすると、泥状・液状となり、いわゆる下痢の状態になります。

また、色も重要です。うんちの色は、肝臓にある胆嚢(たんのう)で作られている胆汁(たんじゅう)によって色が付けられます。茶色から黄色いと、腸内環境が良く、黒に近づくに連れて腸内環境が良くない状態にあることがわかります。

うんちは、体の中の臓器を長い時間かけて通って作られていくので、私たち一人一人の健康状態をあらわす“お便り”として、古代から重要視されてきました。

うんちで判断できる健康状態

では、どんなうんちがいいうんちと言えるでしょうか。

わたしたちが推奨する理想の健康うんちのポイントは3つ。
1.切れない“一本糞”
2.臭くない、むしろ香ばしい香り
3.濃いめの黄色

便秘状態ではない、健康うんちの構成は、80%が水分で、残り20%が消化できなかった食物繊維である食べカス、不要になって剥がれた腸粘膜、腸内細菌です。腸内細菌は、大腸の中に1000種類・100兆個いると言われており、うんちで出てくるのは水分を除いたうんち1g中、6000億〜1兆個ほどと言われています。

何を、どのように食べ、それが体の臓器の機能を使ってどのように分解されたかが、うんちの形としてあらわれるのです。

現代社会では、水洗トイレに排泄されたうんちはすぐに流され、うんちは汚いものだから口に出してはいけないもの、ごはんを食べているときに話してはいけないこと、病原菌の元だから近づいてはいけない、というように何かと敬遠されがちで目に見えないところに追いやられていますが、わたしたちが健康で幸福な生活を送るためのヒントが詰まっている大切なものです。

うんちができるまで

食べものを口に入れると、口から肛門までつながる全長8〜9mの消化器官や細胞、腸内細菌が総動員して、食べものを分解し、消化、吸収します。分解・吸収・消化できなかったものが、1〜4日間かけてうんちになっていきます。

食べものの栄養は3大栄養素と呼ばれる、炭水化物、たんぱく質、脂質と、副栄養素呼ばれる、ビタミン、ミネラルの5大栄養素で、それぞれ分解、消化、吸収されていきます。炭水化物は、糖質と食物繊維で構成されており、うんちになる過程では、炭水化物に含まれる食物繊維が活躍します。

それではどこでどのように分解、消化、吸収されていくのか詳しく見ていきましょう。

食べものを口に入れると私たちは噛んで飲み込みます。噛むことには2つの目的があります。1つは、大きいものを細かくして、食べものの物質の表面積をひろげ、胃や腸でたくさんの消化液と接触するようにすることです。ここでよく噛まないと、消化液と接触できる面が小さいので消化されずそのままうんちとして出てしまう可能性があります。
もう1つは、唾液に含まれる消化酵素である、「アミラーゼ」と食べものをよく混ぜることです。唾液が食べたものを包み込んで滑らかにしてくれるので、飲み込みやすくなります。
このように、噛むことは消化・吸収、ひいてはいいうんちを作ることにとっても重要なので、よく噛んで食べましょう。

飲み込んだ食べものは、食道を数秒で通過し、胃にいきます。

食道を通った食べものが胃にくると、胃は大きく膨らみ、1日約1.5〜2.5リットルほどの胃液を分泌します。胃液に含まれる消化酵素である「ペプシン」が、たんぱく質を分解します。また胃液はph1.5の強い酸性度の塩酸でウイルスを殺す役割も持っています。食べものと胃液をかき混ぜてドロドロの粥状にして、小腸に送りこみます。このとき、食物繊維は消化されず、そのまま通過します。

小腸は体の中で最も長い臓器で、広げると6〜7mにもなります。小腸は消化機能を持つ、十二指腸と空腸、吸収する回腸で成り立っています。
十二指腸に来た食べものは、肝臓でつくられて、胆嚢(たんのう)に蓄えられている、胆汁(たんじゅう)により、脂肪が分解され、膵臓でつくられる膵液によって残りのものが分解されます。
ここでも食物繊維は消化されずそのまま通過します。

空腸では、腸液が分泌され、たんぱく質をアミノ酸に変えていきます。消化したものの栄養素を回腸で吸収していきます。栄養素を吸収する回腸はとても重要な臓器で、これがないと人は生きていくことができません。
このように、小腸では1日9リットルものさまざまな消化液が分泌され、糖質はブドウ糖へ、たんぱく質はアミノ酸へ、脂肪は脂肪酸へと分解され、栄養素が吸収されていきます。
ここでも食物繊維は分解されず、そのまま液状の不要物とともに大腸に送り込まれます。

大腸は全長1.5mの臓器で、近年では腸内細菌の生息場所として、その重要度が注目されている臓器です。
大腸では主に、腸内細菌が食物繊維を分解し、12〜48時間ほど時間をかけてうんちを作っていきます。

小腸から送り込まれた不要物を含んだ液体は、上行結腸を通り、水分とミネラルを吸収しながら、パン生地のように押しつぶされたり捏ねられて、横行結腸でゲル状になり、下行結腸で半固形状になり、S字結腸で固形になって、直腸にストックされていきます。
大腸を通って固形になっていく上で、重要なのが、食物繊維の量です。量が多ければ大きいほど、うんちのかさが増し、大腸の中で大きい運動をしてきれいなうんちを作っていくことができます。また食物繊維は、100兆個もいると言われる腸内細菌のえさとなるため、多ければ多いほど、腸内環境が整えられます。

直腸にうんちがたまっていくと、直腸粘膜の神経がその状況をキャッチし、脳に情報を送ります。この瞬間が、「トイレにいきたい」と便意を催したときです。うんちは自分でコントロールできない筋肉と、自分でコントロールできる筋肉のせめぎ合いで、通常であれば自分の意思でうんちを出しますが、この意思が脆弱になったら、コントロールできなくなります。

具体的にどのように動いているかというと、情報が脳に送られた時、自分の意志で動かせない不随筋であり、うんちが漏れないように締めている内肛門括約筋が勝手に緩みますが、自分の意志で動かせる随意筋である、外肛門括約筋によって自らの意志で止めています。これがようするにトイレまで我慢している状態で、トイレに座って排便できる状態になったら、意志を持ってうんちを出しています。

便秘の原因

これまでみてきたように、人の体は食べたものを、それぞれの臓器で役割を持って分解し、消化吸収して、不要なものをうんちとして排泄する機能を備えていますが、なぜ便秘になってしまうのでしょうか。

その原因のほとんどが、生活習慣によるものです。便秘の原因になる生活習慣をいくつか挙げます。

1.ダイエットもしくは少食

食べる量を減らすと、うんちになる材料が減るため、排便回数自体が減ります。また、食べないことにより、大腸がスムーズに動くために必要な、胆汁の量の分泌が減り、大腸の動きも悪くなります。

2.食べる量は普通もしくは多いが、食物繊維の量が少ない

食物繊維がうんちの量を増やしますが、うんちの構成要素である食物繊維が少ない場合、うんちの量が少なく、また食物繊維は腸内細菌のえさとなりますので、それが不足し、腸内環境が悪くなります。

3.飲んでいる水分が少ない

1日に9リットルもの水分が小腸から大腸に送られてうんちを作っているので、飲む水分量が数ないと、それだけうんちは硬くなります。

4.よくうんちを我慢する

便意を催すのは朝が多いです。その時に忙しくて時間がないからといった理由で我慢をしていると、便意そのものが失われていきます。またうんちに行くのが恥ずかしいという理由で我慢しても同じように便意を喪失していきます。

5.運動不足による筋力低下

うんちは直腸にストックされていきます。便意を催した後、直腸に溜まったうんちを押し出すために、腹筋を収縮して腹圧をかけなければいけないため、筋力が必要です。

6.精神的なストレス

うんちを気持ちよく出すためには、精神的にゆったりとくつろいだ気持ちであることが重要です。精神的なストレスがかかってしまうと、大腸がうんちをつくる運動ができなくなってしまいます。

7.腸内環境の悪化

腸内細菌が、善玉菌より悪玉菌が優勢な環境である場合、便秘になりやすくなります。また、抗生物質を服用すると、善玉菌が減少するため、腸内環境が悪くなる可能性があります。

このように、便秘には生活習慣に伴うさまざまな要因が隠れており、何かをすればすぐ改善するというような症状ではないのです。

快便を目指す

これまで見てきたように、便秘にはさまざまな原因が考えられ、便秘にならないためにいろいろ考えて生活するのは、そもそもストレスフルで忙しい現代人にとって難しいです。

便秘にならないことを目指すより、快便、すなわちいいうんちを出すことを目指せばあれこれ悩まなくても、健康でいられることは自明です。
いいうんちを出すのに重要なキーワードが、「食物繊維」です。うんちを構成する要素のうち、水分を除いた部分の1/3は食物繊維です。食べるものの中で唯一の構成要素が食物繊維と言っても過言ではありません。食物繊維を増やせば、うんちの量が増え、健康うんちの第一条件である「切れない“一本糞”」をつくりやすくなります。

食物繊維とは

食物繊維は、栄養素に加えられることが多く、摂取することを推奨されるものですが、実は食べものの中にある、人の消化酵素で消化されないもの全てを食物繊維と呼んでいるので、人間は消化できず、うんちになるだけです。

では、なぜそんなものがこんなに重要視されるのでしょうか?

食物繊維には、「水溶性食物繊維」と、「不溶性食物繊維」の2つのタイプがあります。溶けやすいか、溶けにくいかの違いです。

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維をたくさん含む代表的な食べものは、昆布・わかめなどの海藻類、くだもの、里芋、大麦・オーツ麦などです。水分を吸収しやすいので粘性があり、大腸に生息する腸内細菌の善玉菌のエサになると言われています。善玉菌はこのエサを食べて、「有機酸」をつくります。この「有機酸」が大腸を動かすエネルギーのもととなりますので、エネルギーがたくさんあるとそれだけ大腸がよく動きいいうんちを作ってくれます。
また粘性があるので、小腸で分泌された胆汁も吸い込み、大腸まで運んでくれます。この胆汁が大腸を動くうんちをスムーズに運んでくれる手助けをしてくれます。

不溶性食物繊維

不溶性食物繊維をたくさん含む代表的な食べ物は、イモ・ゴボウなどの根菜類や、米・麦などの未精製穀物、すなわち玄米や全粒粉などです。また豆、きのこ、ごまにも多く含まれます。この不溶性食物繊維は大腸で、緩下剤の役割を果たします。

不溶性食物繊維は、うんちの構成要素になりますので、うんちを大きくします。大きなうんちは大腸に運動を要求し、ゆっくり移動します。大腸はこの大きなうんちを直腸まで移動させるために一生懸命運動をしなければなりません。しっかりゆっくり大きなうんちが動くことにより、腸内の老廃物を巻き取りやすくなります。逆に食物繊維が少ない場合、大腸がそんなに運動しなくても良くなってしまうので、動きが鈍くなり、次第にいいうんちが作れなくなっていきます。

健康うんちにおすすめなのが、玄米

玄米は精製されていないので、食物繊維と糖質を含み、食物繊維の量は白米の6倍です。さらに玄米は、不溶性食物繊維が多いですが、水溶性食物繊維も含み、どちらも摂取することができます。

また玄米を食べるとエネルギーとして必要な糖質を取り出すために、腸内の消化酵素が玄米の皮やぬかなどの、糖質をコーティングしている外側の部分を剥がしていかなければなりません。これには消化・吸収のために時間がかかります。時間がかかることで分解・消化・吸収に時間がかかるため、ゆっくり時間をかけて分解されていくので、うんちもゆっくり作られていきます。

YUWAERU(結わえる)の寝かせ玄米®︎

このように、食物繊維は栄養として吸収されるわけではありませんが、いいうんちを出すことや、大腸をよく運動させることや、腸内細菌のえさとなり腸内環境を良くする要因にもなるので、重要な栄養素として厚生労働省によって「日本人の食事摂取基準(2020年版)」が策定されており、一日あたりの目標量は男性21g以上、女性18g以上(18~64歳)となっています。

YUWAERU(結わえる)の寝かせ玄米®︎は、玄米をより簡単に食べやすく改良した玄米ごはんですが、摂取できる食物繊維は、このようになっています。

●寝かせ玄米小豆ブレンド:4.3g
●寝かせ玄米黒米ブレンド:4.0g
●寝かせ玄米十五穀ブレンド:4.5g
●寝かせ玄米もち麦ブレンド:5g

玄米にさらに豆・雑穀をプラスしていますので、普通に玄米ごはんとして炊飯するより食物繊維量が多くなっています。
たったの1パックでおおよそ摂取目安の20〜25%を摂取できます。

冒頭に、お客様から「玄米を食べ始めてから、快便になった」とお声をいただくことが多いとご紹介しました。それにはこんな秘密が隠されているのですね。

ただし、すでに便秘でお悩みの方には、食物繊維をたくさん摂ることはおすすめできません。すでにひどい便秘の場合、大腸の動きが弱っていたり、食物繊維を増やすことによってより詰まっているうんちを増やすことになってしまうためです。
その場合は最初にご紹介したとおり、便秘は病気の始まりなので、病院に行きしっかり専門医に診ていただくことをおすすめします。

YUWAERU(結わえる)は、「気持ちいい生活と気持ちいい世界を結わえる。」ことを目指しています。快便は気持ちいい生活に欠かせません。
一日一膳、玄米生活をすれば必要な食物繊維を摂取でき、健康うんちを目指すことが簡単にできます。ぜひ、健康うんち・快便を目指して、「一日一膳、玄米生活」をはじめてみてはいかがでしょうか。


【参考文献】
中島淳『寿命の9割は「便」で決まる』(SBクリエイティブ株式会社、2018年)
辨野義己『大便通 知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌』(株式会社幻冬社、2012年)
日野貞雄『ウンコによる健康診断』(株式会社光文社、1969年)
下山孝『ウンコの本』(神戸新聞総合出版センター、1982年)
福田真嗣『お腹の調子がよくなる本』(KKベストセラーズ、2016年)
藤田紘一郎『腸内細菌と共に生きる』(技術評論社、2015年)

コラム製作 まっちゃん

広島県出身。大学卒業後、興味のあった中国へ語学留学し、そのまま4年間暮らし、改めて日本食のおいしさと日本文化の優しさを実感。帰国後すぐに上京し東京で13年間働く。結婚後長野県東御市に移住。宗教・歴史に興味があり、長野県移住後は諏訪地域の神仏習合や縄文遺跡にはまって散策しています。普段は玄米食で、一汁三菜の常備菜を食べ、早寝早起きの健康ライフを送っています。
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